京都地学名所めぐり

平野から山へ流れる謎の大河
亀岡市桂川の不思議

「平野から山へ流れる」と言うくだり、タイプミスではありません。普通、川というのは山から平野へそして海へと流れていくものなのですが、例外的に平野から山へ流れていく川もあるのです。その謎の川が京都市ととなりの亀岡市の間を流れている桂川です。


この写真は亀岡市にあるJR馬堀駅付近から北の山々を撮影したものです。写真中央から少し右よりのところに谷があります。Vの字をしているので、地学用語でV字谷と言います。この谷は保津川下りで有名な場所で、この平野がある亀岡市から山へと入っていく入り口の部分です。この谷の入り口をもう少し近づいて見てみましょう。


川の水が泡立っているところを良く見てください。水が流れている方向がよくわかるかと思います。明らかに桂川(通称:保津川)は平野から山へ向かって流れています。
信じられない光景です。いったいどうして!!!

これには深〜〜〜いワケがあるのです。

実はこの桂川が流れていっている山は昔、といっても大昔、なかったのです。なかったって!!! 今は京都市と亀岡市を隔てる山地になっているのですが、かつてここは平野で、桂川は平野を何の問題もなく、流れていたのです。

ところが!
活断層ができて平野の一部が少しずつ持ち上がりだしたのです。これを専門用語では隆起といいます。どこがどう持ち上がったかと言うと、ちょうどこの写真の場所です。

この写真の真ん中に水平な水色の線が引いてありますが、ここに亀岡断層という長さ15kmにもおよぶ大きな断層が通っているのです。この断層を境に向こう側が山地になっていますよね。つまり断層の向こう側が持ち上がっていて、手前の方が下がっているのです。

桂川は今は亀岡市に広がる平野を流れて、この断層をこえて山の方へと向かっていますが、昔はこの山がなかったわけです。この山がなかったので京都市までスンナリ流れていたのですが、この断層ができてからというもの、少しずつ少しずつ持ち上がっていくものですから、そのつど水が川底を削って浸食していって、ついに深い谷ができてしまったというわけです。このような河川を先行河川と呼んでいます。インドのガンジス川は有名な先行河川です。ヒマラヤ山脈がなかった時代から流れていて、後になってゆっくりとヒマラヤ山脈が持ち上がってきたもんですから、ガンジス河が川底を削っていって深い渓谷ができています。



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