アイスランド周辺の地質概要
プレートテクトニクスとホットスポット


もし海に水がなかったら、海底はこのような姿をしています。
図の上部から緩やかなS字を描きながら左下へ消えていくこのキャタピラの跡のような帯状の地域は、プレートと呼ばれる岩盤が作られている地域です。この地域のことを「リッヂ」、あるいは「海嶺」といいます。
アイスランドはちょうどこの海嶺の上にあります。
























プレートとは地球の表面を覆う硬い岩盤で、これは年間数センチメートルという髪の毛や爪が伸びるくらいの速さでゆっくりと地球の表面を移動しています。
プレートは海嶺で造られて、沈み込み帯と呼ばれる場所で消えていきます。沈み込み帯は日本列島やアリューシャン列島などの場所をいいますが、ここではこの説明は割愛します。

上の図は海嶺を中心にしてプレートを模式的に表現したものです。プレートが造られる場所の地下にはマグマだまりというマグマが造られる場所があります。プレート全体はマントルと呼ばれる、かんらん石や輝石などの鉱物から作られる非常に重い岩石の上に載っています。
プレートは海嶺のリフトゾーンで造られています。リフトゾーンは「割れ目帯」という意味で、まさにプレートが両側から引っ張る力で割れているところです。ほとんどの場合、リフトゾーンは海底にあるので、私たちはじかに見ることができませんが、アイスランドはリフトゾーンが地上で見られる数少ない場所です。
 
上の写真の左はレイキャネス断層で右はスィンクヴェトリルというリフトゾーンです。どちらの写真も、右側がユーラシアプレートで、左側が北米プレートです。

地球は球形をしているため、プレートは場所によって動く速度が違います。そのため海嶺はトランスフォーム断層によって小さくてたくさんのリフトゾーンに分断されています。

プレートが左右に動くとリフトゾーンが開きます。アイスランドではこの開いた割れ目をギャオと呼んでいます。
ではこのアイスランドで見られるギャオやリフトゾーンについて、もう少し詳しく解説いたしましょう。

アイスランドのリフトゾーンとギャオのページへ